管理人の独り言 le monologue

透明なるスペクトラム

今年も中央線芸術祭の時期がやってきて、今最後のプログラムが開催中です。ギャルリー・ジュイエも、3年連続で会場のひとつとして使っていただいています。この芸術祭、インスタレーションの展示がとても多いという特徴があります。インスタレーションというのは、個々の作品をひとつずつみせるのではなく、空間や音楽を含めて全体でひとつの作品となるので、おそらく作家にとっては魅力的な展示方法ではないかと思います。その反面、作品を販売することがむずかしく、それはお金にするのがむずかしいことにつながり、ハードルが高い展示ともいえます。インスタレーションの展示が多い中央線芸術祭は、そういう意味でも作家さんにとって得難いフェスティバルなのかなぁと感じます。

開催中の『「透明なるスペクトラム」ゆにここ × カシマモユ 二人展』もインスタレーションの展示です。タイトルや説明が哲学的で難解なのも、インスタレーションによくあること。ですが、実際の展示をみてみると、紐解くようにその意味がわかってきます。
少なくとも、2人の作家さんが創り出した、白い不思議な空間に何かを感じることはできるのではないでしょうか?

作家のゆにここさんとカシマモユさんは、いっしょに展示するのもはじめてだそうです。今回の展示は、2人展にはありがちなギャラリースペースを2つにわけるというわけではなく、2人の作品が混在しています。しいていえば共通点は白っぽいというだけで、全く作風が違うのに、うまく空間にマッチングしています。加えて、会場に流れる音楽は、2人の声をもとに作られたサウンド作品で、つぶやくような音が、展示によくあっています。
普段いっしょに展示しているならともかく、2人の作家さんも中央線芸術祭さんも、よくこんなむずかしい展示に挑戦したなぁと感心してしまいます。言葉にするのは難しいですが、百聞は一見に如かず、是非会場で、この素敵空間を観て、聞いて、触れて、楽しんでください。7日(火)まで開催しています。

*入場には中央線芸術祭の共通チケットが必要です。会場でも購入可能です。(一般500円、学生250円)

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